席次表なるものがある。
ゲストが受付で渡されるのもので、自分が会場のどこに座るかが示されている。
たいてい折りパンフのように見開きタイプになっていて、開くと丸いテーブルが何個もかかれており、どこかに自分の名前が書いてある。
席次表には参加する全てのゲストの名前が複数のテーブルとともに記入されている。しかし想像してほしい。席次表を開いたらそこから自分の名前を見つけてそれでおしまいである。あるいは気になる知り合いがどこに座るのかチェックするくらいだ。名前も知らない他人がどこに座るかなんて一切興味はない。であるなら、ゲスト全員の名前が書いてある席次表なんていらないと思った。自分がどこのテーブルに座るかわかりすればいい。気になる知人だって、会場にいけばどこに座っているかすぐわかる。もちろん、披露宴中にあいさつ周りをする両親には用意する必要があるが、少なくともゲストには不要だ。
というわけで、私たちの結婚式では席次表をやめてしまいました。そこで利用したのが、クレイン社のテーブルカード。コットン100%の高級なぶ厚いカードに「You are seated at table number…」と英語で明記され、つまり「あなたのテーブル番号は〜です」と書かれている。
このカードに、ゲストのテーブル番号(アルファベット)を書き、それだけではシンプルすぎるので、"Welcome!"と新郎新婦の名前を書き込みました。これを同じくコットン100%の小さな封筒に納めました。
封筒の表にはゲストの名前を英語でカリグラフィ文字で書きました。
ゲストは受付で自分の名前が英語で書かれた小さな封筒を渡され「これなんだろう?」と思うはずです。そして封筒をあけるとカードがでてきて、その瞬間、2ヶ月前に受け取った招待状と同じ香りがフワッと香ることに気づきます。そう、このカードには招待状で使ったのと同じ香水をスプレーしてあり、香りの記憶効果を狙いました。
自分のテーブル番号を確認したら、男性なら胸ポケットに、女性ならきっとハンドバックにしまうはずです。披露宴が終わった後も、帰宅してバッグを開けたときに、きっとこの香りにまた気づいて、楽しかった披露宴を思い出す、、かもしれません。香水は英国王室御用達の香水で、とても上品な香りです。
そしていよいよ披露宴会場に入ったゲストは、テーブル上のアルファベットのスタンドをみて自分のテーブルにたどり着きます。さらにテーブル上のナプキンに納められた自分のネームカードを見つけ、自分の席につきます。隣に誰が座るのか事前にわからないという不安がありますが、それはそれでよしとします。
ところで、このテーブルカード、封筒の表に書かれたゲスト名が英語表記だったため、ロイヤルウイングのスタッフさんはちょっと困っていました。というのも、英語だと名前の確認がしずらかったようです(なのでナプキンに納めるネームカードは日本語で書きました)。
さて、ここまで書いておいてなんですが、席次表には捨てがたい大事な役割が一つあります。それはゲスト名の上に「新郎友人」とか「新郎上司」とか「新郎恩師」とか簡単な肩書きというか、新郎または新婦との関係が書いてあることです。違うテーブルに座っている名前も知らない他人のそんな情報はまったく興味もないでしょうが、同じテーブルに座っているとなると話は違います。約2時間におよぶ披露宴では、同じテーブルに座った方と話をする機会もあるでしょう。その際のきっかけになるのが、この肩書きというか新郎新婦との関係についての情報です。しかし、一般の席次表に明記されるような情報では、話のきっかけを作るにはあまりに情報が乏ししい。たとえば「新郎友人」だけでは、新郎のなんの友人なのか不明だし、「新郎大学友人」なら、どこの大学でいつの時代の?となっていしまう。ならばもっと細かく書けばいいのだが、紙面のスペースの問題もあるし、そもそも細かく情報を書けるゲストもいれば書けないゲストもいるだろう。さらにゲストの情報を細かく書いたが、こっちのゲストにはあまりそれを見てほしくないだとか、そういうこともあるはず。
そこで私たちは、基本的には同じテーブルはもうすでにお互い知り合いのゲストで固め、それが無理な場合は、各テーブル毎に細かいゲスト情報が明記された席次カードを別途用意しました(写真の奥に置いてある紙)。
これならスペースがしっかりあるので、細かい肩書きや新郎新婦との関係を詳しく書けます。このカードにもクレイン社のコットンカードを採用しました。厚みはそれほどないので自宅のプリンターで印刷して完成です。